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【株式会社ウィゴー 導入事例】基幹業務プラットフォーム刷新で実現した経営基盤の高度化

大阪で3坪の小さな古着屋から始まり、現在は全国展開のアパレルブランド「WEGO」を運営する株式会社ウィゴー。同社は、旧来システムの活用不足による情報の断片化と、アパレル特有の複雑な業務プロセスをExcelで補完せざるを得ない状況による業務負荷という課題を解決するため、株式会社ドミニオンとともに基幹業務システムの全面刷新プロジェクトに着手しました。今回はプロジェクトの背景から具体的な成果、今後の展望について、代表取締役社長の園田氏と情報システム部 部長の上野氏にお話を伺いました。

株式会社ウィゴー
代表取締役社長 園田氏
情報システム部 部長 上野氏

導入前の課題情報が断片化し、商品サプライチェーン上の細かな業務をExcel加工でつないでいたため、業務負荷が高く正確な数値が揃わない状態だった
導入の決め手アパレル業界特有の業務フローを理解したうえで、段階的移行を前提に現場目線で伴走してくれる点
導入の成果Excel業務をほぼ撲滅し、商品企画から生産・物流・販売に至るサプライチェーン上の業務がシステムで一本化されたことで、残業抑制とサプライチェーンの俊敏・高精度な意思決定が可能になった

どれが正しい数値かわからない。情報の断片化とExcel依存が招いた業務の限界

――当社にご依頼いただく前、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?

園田氏:当時は2010年以前に導入した基幹業務システムを使い続けており、サービスアウト期限が迫っているといった問題に加えて、従来のシステムが十分に活用できていませんでした。データはあるにはあるものの、情報が断片化していて「どれが正しい数値なのかわかりづらい」という状況でした。

――もう少し詳しく教えてください。業務の流れの中では、どのあたりに問題があったのでしょうか?

園田氏:アパレルの場合、商品を企画してから店舗に並ぶまでの間に、発注・輸送・納品といった多くのプロセスが入ります。ところが、それらを一気通貫で把握できる仕組みがなく、業務やデータをつなぐ役割をExcelが担っていました。システム上のデータを一度Excelに落として加工・運用するといった、人海戦術で乗り切っていた形です。データの加工の仕方も人によってバラバラで、作業スピードも違っていましたし、従業員の業務負荷も相当なものでした。

――上野様は2020年にご入社されたと伺っています。当時の状況をどう見ていましたか?

上野氏:ちょうどコロナ禍の直前に入社したのですが、まさにコロナで大打撃を受けて経営状況が芳しくなく、投資が難しい「守り」のフェーズが2、3年続きました。まずは足元を固めようということで、システムの見直しを進めてきたという経緯です。情報が散らばっていて全体像が見えない状況を、何とか改善したいという思いがありました。

この人たちなら話が早い。業務を理解していたことが最大の決め手

――数ある選択肢の中から、当社をパートナーとして選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

園田氏:鶴谷社長をはじめ、ドミニオンさんのチームの方々がアパレル業界のシステム構築経験や知見をしっかり持っていたことが大きいですね。私たちよりも複雑なプロセスを経験されているので、サプライチェーンから会計まで、現場の話を理解した上で整理してくれる。商品がどう流れ、どこで業務が滞りやすいのかを前提に会話ができたので、「話が早い」と感じました。さらに当社は古着の販売からスタートして新品の物作りへシフトしたという経緯もあって、積み上げの繰り返しで作業が複雑化していましたが、それを丁寧に紐解き、現在の業務フローに最適な形をご提案いただきました。

上野氏:あとは一般的なベンダーさんだと、根本的な業務課題の理解よりも、技術的な部分が優先され、結果的にソリューションがズレていく印象があります。でもドミニオンさんはアパレルのサプライチェーン上で発生する一つひとつの業務をどうシステムに落とし込むかという視点で考えてくれました。そこが一番のポイントですね。

段階的な切り替えで実現した、事故のないシステム移行

――実際のシステム構築はどのように進行したのでしょうか?

上野氏:「段階的な移行」をご提案いただき、一気にすべてのシステムを切り替えるのではなく、業務フローをご理解いただきながら少しずつ進めました。複雑に絡み合った既存システムからの移行は、リスクが非常に高いと感じていました。今回ドミニオンさんと進めた開発では、ガチガチに要件を固めるのではなく、課題や要望に対して小分けに解決していくアジャイルな手法が取れるのが特長です。そのため、業務を止めずに段階的にシステムを切り替えていくことができました。

――構築中にトラブルなどはありましたか?

上野氏:大きなトラブルはないですね。ただ、トラブルが起きていないように見えるのは、ドミニオンさんが事前に検知して対処してくれているからだと思います。他社さんだと気づいたときには大事故になっているようなケースでも、未然に防いでくれている印象です。

朝8時に「昨日の数字」が手元に。アナログ作業が消え、クリエイティブな時間が生まれた

――システムが整ったことで、具体的にどのような変化がありましたか?

園田氏:一番大きいのは、毎日朝8時に前日の売上などの状況がサマリーで見られるようになったことですね。以前は「締めてからデータが出るまで待つ」のが当たり前でしたが、今はデイリーで数字が見られる。意思決定のスピードが格段に上がりました。


上野氏:以前は、発注や物流、在庫といったサプライチェーン上の業務が分断されており、そのつなぎ役をExcelが担っていました。今は、商品企画から生産、物流、店舗・ECでの販売に至るまでの業務がシステム上で一気通貫につながり、個々の業務が圧縮されて非常にスマートになっています。生産や在庫の状況が可視化されて、常に意思決定に必要なデータが揃っている状態が整ったことにより、スピーディかつ精度の高い判断も可能になっています。

園田氏:無駄な業務を排除することで省力化が実現し、以前のようなシステムにまつわるアナログ作業のための残業は、基本的になくなりました。空いた時間で店舗に足を運んだり、次の施策を考えたりという好循環が生まれています。

「守りのIT」から「攻めのIT」へ。事業拡張にも柔軟に対応できるプラットフォーム

――同じような課題を抱える企業に当社をご推薦いただくとしたら、どの点をあげられますか?

上野氏:やはりユーザーと同じ目線で課題に真摯に向き合ってくれる点ですね。アパレルの複雑なサプライチェーンを理解した上で提案してくれるパートナーは、なかなかいないと思います。担当者や部署によって意見が違っても、業務フロー全体を理解しているから、ちゃんとつなげて整理してくれるんですよ。こういう会社さんは本当に貴重です。

園田氏:ドミニオンさんのメンバーは、現場メンバーといつの間にか仲良くなって、直接電話をさせていただくぐらいの信頼関係を築いてくれるんですよ。これは他のベンダーさんにはない特徴です。現場で何かトラブルがあった際に、躊躇なく相談できる関係性を作ってくれたのも大きかったですね。

――システム基盤の刷新により、事業展開にも変化がありましたか?

上野氏:会社としてのシステム基盤が整ったことで、事業の拡張や変化にも柔軟に対応できるようになりました。「守りのIT」から「攻めのIT」へ移行できたという手応えがあります。私たちには、ウィゴー単体で2030年までに売上高500億円という目標があります。その柱として海外事業や、店舗とECを融合させたOMOなど、お客様の買い物体験向上につながるシステム構築を、ドミニオンさんと引き続き進めていく予定です。

園田氏:その後のさまざまなDXが加速度的に進んでいると実感しています。生成AIや数理分析も組み合わせて、より柔軟にデータを活用していきたいと考えていますが、プラットフォームの拡張性があるからこそ、こうした新しい取り組みにもチャレンジできるんです。

――今後の展望についてお聞かせください。

上野氏:当社は上場会社の傘下なので、IT全般統制などのコンプライアンス対応が求められます。そのあたりの整備を今後二人三脚で進めていければ、より良くなると思っています。ドミニオンさんとは、単なるベンダーとクライアントの関係ではなく、パートナーとして長くお付き合いしていきたいですね。